伝統を引き継ぐ左官職人集団

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2017年09月26日

グラナラ エコビレッジにて左官のワークショップ-2-



こちらは日本の伝統的左官技術「大津磨き」の実演。
松木親方の鏝さばきにはいつもおどろきです!

そして仕上がった壁がこちら・・・



顔が反射し映るくらいの輝き!土が光るんです!これも土の個性ですね。

大津磨きについてちょこっと小話。
【日本伝統の左官技術】
土に少量の石灰とスサを混ぜた材料を塗り付け、鏝で何度も押さえて
表面強度を堅く仕上げる工法の事を 《 大津壁 》 といいます。
大津壁には 「泥大津」 、「並大津」 、「大津磨き」等のグレードがあり、特に【 大津磨き 】は
土壁・最上級仕上げのひとつに数えられます。

【 泥大津 】 とは、 泥色をした土(田んぼの土など)に石灰を混入した材料を塗り付け、
鏝で押さえた仕上げた壁 の事です。廊下や階段など通常の土壁(撫で物、中塗り仕上げ等)よりも
強度が必要とされた場所に用いられました。

【 並大津 】 とは、 色土(黄土、赤土、白土、浅黄土、黒土など)に石灰を混入した材料を塗り付け、
鏝で押さえた仕上げた壁 の事です。
上記の 泥大津 よりも上級の仕上げで、色土の見た目が綺麗なので《 ドロマイト・プラスター 》 が
普及するまでは、住宅では日常的に仕上げられていた工法でした。

【 大津磨き 】 とは、 大津壁 を鏡面に仕上げた磨き壁 の事です。
天然の土を用いて塗った光沢のある仕上げです。コテでしっかりと何度も押さえることで光沢を出す仕上げになっています。
コテを押さえるタイミング、スピードなど高い技術が要求される工法になってきます。
この大津磨きを正確にできる職人さんは少なく、貴重な存在となっています。
土の持つ柔らかい光沢と壁肌が得られ、奥ゆかしい壁となります。
(上の画像も土の光沢ですね!)

その輝きはペンキ等の光沢とは違い、重厚感があって見る人を魅了する大変美しい仕上げです。
雨の当たらない外壁の化粧用や階段・廊下等、人がよく通るところに施工されます。
大津磨きは、水・空拭きの手入れによって永く光沢が保てます。
基本的には色土(黄土、白土など)の土そのものの色を楽しむ仕上げですが、油煙を混入させた “ 黒大津 ” や
弁柄を混入させた “ 赤大津 ” などもあり、さらに 大津磨き をアレンジした “ 鉄壁 ” もあります。

研究を重ね、技を日々磨いてきた松木親方の大津磨き!
とても輝いています!

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