2025年 日本建築学会教育賞(教育貢献) 受賞
この度、建築教育の発展に貢献した教育プログラム・教材等の業績を称える
「日本建築学会教育賞(教育貢献) 」を受賞いたしました!
日本ならではの自然を生かした技術や文化が評価されたこと、とてもうれしいです。
本教育活動は、左官ものづくりを教育・活動プログラムとして開発し、
実践してきた教育プログラムです。
東海地方は、瀬戸、常滑等の陶磁器、高浜の瓦など、良質な土に恵まれ古くからの産業が栄えた地域です。
土を利用した民家、城郭などの壁を仕上げるすばらしい自然素材を活かした技術が左官であり文化といえます。
一方でその伝統技術を受け 継ぐ左官職能技術者、素材や道具を生産する事業者は急速に減少している状況であり、
東海地方に所在する産学応募者は、師弟間による左官技術の継承を『左官ものづくり』 を
2012 年より左官のみならず、木工含めた職能技術者とともに実技を伴う教育・活動プロ グラムとして
開発し実践してきた実績を積み上げてきています。
具体的には、実空間づくり としてのシンボルプロジェクトにおける制作に 70 人以上が参加しています。
また、建築学科 における専門教育プログラムの実施、制作された空間を多くの学生・教職員が
日常利用・ 教材として利用しています。
さらに学外協働プロジェクトを展開し、市民・小学生 100 人以 上によるものづくり体験を共有し、
より身近に体感を促しています。
実際の市中町家・寺社 再生に貢献するとともに地方自治体、地元建築団体、
工業高校とも連携活動を実施し、もの づくり技術・文化の裾野を広げる活動を率先垂範していると言えます。
内における建築技術者の高齢化・減少化、日本の大切な技術力低下は大きな危惧であり対策を要する課題です。
日本文化存続のため、ものづくり建築技術の継承・育成は急務です。
本活動は、東海地方という歴史的にもその素材、伝統技術の色濃い魅力的な地域であり、
高い技能を有する左官・木工職能技術者(マイスター)が存在し、豊富な地産 地消できる
原材料に恵まれた本活動にふさわしい場所性に着目している点、
大学が基点となり、学生・職能技術者・市民・小学生をより身近に結びつけることにより
技術文化継承に寄与している点も評価を高めています。
今後の期待として、東海地方における地方創成の一助、この技術・文化継承の拡大により未来への
担い手をひとりでも多く育成されることを望んでいます。
そして今回の受賞を機に、全国の地方においても、埋もれつつあるものづくり文化に着目した
地方創成教育に広がっていくきっかけとならんことを大望しています。
動画:【2025年日本建築学会教育賞(教育貢献)】左官ものづくり教育プログラムの開発と実践
業績紹介
日刊建設工業新聞:2025年4月21日